« 『医療ミス』 | メイン | 『奇跡再び降臨』 »

2006年06月17日

『音霊』

浦上俊司

休みが取れたので音楽を聴きに行った。
いや、何のことはない、愛娘の音楽会だ。

私が職業のツールにしている‘言葉’には‘言霊’が宿り、その威神力には感服する毎日であるが‘音’にも‘音霊’が宿るのを実感させて頂いた日になった。

新調された体育館に響き渡る児童の合奏や合唱は、2ヶ月間の練習の賜物なのか、どの学年のも素晴らしかった。
愛娘の通う小学校は、姫路市内にある71校の中で4番目に多い1050名を有するマンモス校だ。
児童数の勢いもあるのかも知れぬが、今年の音楽会は児童も教師も気合いが入っていた。

それは先日亡くなった校長先生のお力かも知れぬ。

私は直接の面識はなかったが、保護者にも教師間でも(もちろん児童にも)評判の高かった先生との事。
第二部では、その校長先生を偲び、懐かしい映像を流しての朗読。
読み手は校長先生のご長女さん。
ナレーションは私もその昔、プロとして喰っていた時期があるので鼻濁音や無声音やマイクに入る紙の音には敏感だが、なんのなんの、この長女さんの朗読はそんなテクニックやスキルなどを遥かに凌駕する素晴らしき声だった。

愛する亡き父に届けとばかり、渾身の愛情を声帯にブチ込んでお読み下さった。
過剰なパフォーマンス演技で読むのではなく、しかし淡々と味気無いわけでもなく、しっとりと潤いがあって、立て板に水を流す流暢さでありながらもプロっぽくはなく、一言一言をガラス細工を大切に扱うように読まれた。

続いて先生方による校長先生に送る合唱。
涙ぐみながらも必死に音程を外すまいと全力で歌い続ける女性教師。
やがて男性教師の目にも涙が光り、気が付くと鑑賞している保護者の目にも同じものが光る。

クライマックスは現校長先生が「皆さん立ち上がってください」と会場内の観客を巻き込んで自ら指揮棒を取った。

たかが小学校の音楽会。
されど小学校の音楽会。
素人の演出でも‘魂’がこもれば、プロのコンサート以上の感動が演出できるのだ。

天晴れッ!

有り難う御座居ます、感謝。みんなに偲ばれるいい仕事を成し遂げた故・○○先生。
有り難う御座居ます、感謝。みんなの心をひとつにまとめ上げた現校長先生。(あのマネジメント力は企業人も見習うべきだ)
有り難う御座居ます、感謝。堂々と胸を張って歌う姿で私のビデオカメラに納まってくれた愛娘。

投稿者 : 浦上俊司| 2006年06月17日 11:59

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.t-consulting.jp/blog/cgi-bin/mt-tb.cgi/306