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2009年09月19日

『時は金なり in.徳島』~☆浦上俊司

浦上俊司

毎日休みなく仕事をしていると曜日の感覚が無くなってくる。
そんな中、世間では今日から‘シルバーウィーク’なるものが始まる事など露ほども意識していなかった。
ゆえに休日の公共交通機関の混み具合をナメテかかっていたのだ。

今日は徳島でのオール電化セミナー」90分講演だ。
四国のエージェントさんが徳島駅まで車で迎えに来てくれて会場入りする段取りになっていた。
待ち合わせ時間は余裕を持って11時の約束だから、舞子を9:40分発の高速バスに乗れば明石大橋を越えて丁度11時に徳島駅に着く。

JR舞子を降り高速バス乗り場まで歩いて行くと、変に混んでいた。家族連れも多い。一瞬だけ胸騒ぎがしたが気のせいだと思い込んだ。
その後私の身に起こるハプニングはこの時点で予想だにしなかった。

待つこと数十分、停留所に高速バスが進入してきた。車内はガラガラだ。
しかし、乗り込もうとした私を運転手が高圧的に制した。
「今日は満席ですから、予約乗車券をお持ちのお客さまだけしかご乗車頂けません」と。
そう、私は連休のクソラッシュをナメテおり、当日券で乗れると判断していたのだ。

「えぇ~ッ?!ガラガラですやん。仕事で絶対に遅れられませんねん。乗せて~なぁ~」と言う私に運転手は、「いや、途中から乗ってこられます」問答無用とばかりピシャリと遮った。
「立ってでもええから乗せて~なぁ~。転んで怪我しても怒らへんからぁ~」と粘ったが、「いえ、安全上それはできません」と運転手はグサリと止めを刺した。

その運転手の物言いに普段の私ならCSのアンテナが引っ掛かり、クレームをつけるところだったが、頭の中が次第に真っ白になりかかっており、講演に穴を開けるという前代未聞の致命的なミスになるかもとの不安がパニックに変わりつつあった私にはクレームを言う余裕さえ無くしていた。

茫然自失とする私を停留所に残し、バスは無情にも白煙を撒き散らし四国方面へと走り去った。

‘と、と、と、とにかく何とかせなアカン’
咄嗟に、停留所に立つ案内係のオッサンに次の便を聞いた。
すると丁寧に「次は10:10分発です。念のためご予約をお取りになって下さい。携帯電話から出来ますから」と答えてくれた。
私と先程の運転手とのやり取りを聞いていた案内係のオッサンは、同情したような表情で私に親切にしてくれた。

私はお礼もそこそこに即ケータイから掛けた。
何回も掛けた。
何十回も掛けた。
リダイアルのボタンが壊れるんちゃうかと思うほど掛けた。
右親指が攣るんちゃうかと思うほど掛けた。実際に攣った。

しかし何度掛けても、「只今、予約電話が大変混み合っておりお繋ぎできません」との機械的な無機質な女性のアナウンスが流れるだけだ。何回親指が攣ってもアナウンスは変わらない。

この時点で左手のプロマスターは10時5分を指していた。
全身を、冷やりとした嫌~な汗が滴り落ちるのが分かった。
脇の下が冷た~くなってきた。

‘も、も、もうアカン・・・’と焦りまくった私は、徳島までタクシーで行こうと決心した。
なんぼかかるか分からんけど、講演に穴を開けたら私の講師生命はジ・エンドだ。
‘まぁ5万円みといたら行けるやろ!ギャラの半分は吹っ飛ぶけどしゃ~ないわぁ!’と開き直りに似た感情に支配された。

舞子駅のタクシー乗り場に向かう途中、エージェントさんの営業マンに経過報告をしようと思い電話した。

「○○さん、すいません。高速バスが満席続きで乗れないんです。しかし今から新幹線で岡山経由、瀬戸大橋で行っても、もう絶対に間に合いませんのでタクシーで向かいますわ」と言った私に、彼は「あ、それなら私が舞子まで車で迎えに行きますよ。実は今、橋の手前なんです」と言った。

この時点で私は、‘橋’はてっきり‘明石大橋’だと解釈した。
しかし実際には彼が指していたのは‘鳴門大橋’だった。

更に四国在住の彼は、鳴門大橋から明石大橋までの距離はほんの数分だろうと思い込んでいた。
土地勘の無い大胆さが、淡路島縦断の南北の距離勘を狂わせていた。

「良かったぁ~。ほな20分後くらいに垂水インター出口を降りた所で拾って下さい。私は舞子駅からタクシーでそこまで行きますから」と言ってタクシーを拾った。

垂水インター出口付近の交差点で降ろしてもらった。
周囲には歩行者などいない。
ビュンビュンと車しか通っていない。

待てど暮らせどエージェントの彼の車は来ない。
不安になって彼のケータイに掛けた・・・。

有り難うございます、感謝。一話では書ききれないので続きは明日に譲るほど濃密だった今日のハプニング。
有り難うございます、感謝。これでもかッ!これでもかッ!というほどハプニングの連続だった徳島珍道中。
有り難うございます、感謝。講師生命が絶たれなかった自らの強運の再認識。

~☆浦上俊司

投稿者 : 浦上俊司| 2009年09月19日 19:28

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