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2007年04月29日
『従兄弟の死』~☆浦上俊司

従兄弟が死んだ。
私より10歳ほど年上の彼は優秀な頭脳を天賦のものとして持ち合わせ、現役で東大は受験失敗したものの早稲田の政経へ進学し公認会計士として活躍していた。
‘喋くり’しか生きていく道を見い出せない私からすると、国家資格を取得し人から尊敬される仕事をバリバリやっている彼は間違いなくエリートコースを驀進中と信じていた。今頃きっと大活躍していると信じていた。
しかし従兄弟の縁とは大人になると疎遠になるもので、実情は知らなかったが彼は死ぬ前に離婚していたそうだ。
死と離婚の間に、どれくらいのインターバルがあったのかは知らないが、少なくとも最期は寂しい人生の幕引きだったと想像する。
死の直前に彼は何を思い、何に気付いたのだろうか。
最期に脳裏をかすめたのは、子供の笑顔か、別れた妻との生活か、年老いた両親の今後の生き方か・・・。
改めて思うのが、人生における‘幸と不幸の本質’についてである。
一人っ子の長男として生を受けた彼は、両親つまり私の伯父と伯母の愛情を溢れるほど浴びて育ったに違いない。
勉強は出来る、スポーツは出来る(彼は早稲田大学の空手部だった)、親思いの孝行息子とくれば親とすれば宝そのものだったはずだ。
親思いだけでなく従兄弟にも優しく、私の兄に贈ってくれた録音テープがあった。
それは今から30年以上前、大阪芸大に受験失敗した私の兄に、既に大学生だった彼から激励のメッセージを録音したテープだった。小学生だった私の記憶に今も残る。
早過ぎる死は本人にとっても辛い修行だったろうが、それ以上に厳しい経験になるのが子に先立たれた親が受ける試練だ。
なぜに神は‘逆縁’という史上最大の試練を私の伯父と伯母に与えたもうたのだろう・・・。
前世からの因縁なのか、今世で積んだ業が原因なのか、自らが魂の向上のために課した通らなければいけなかった修行なのか。
心からの冥福を祈ると共に、生前この従兄弟を可愛がっていた私の父とあの世での再会を楽しんで欲しい。
ありがとうございます、感謝。はかなき生と死の意味について熟考できた機会。(命の大切さを再認識した)
ありがとうございます、感謝。疎遠になっても血の繋がった人の死には心を痛めるDNA。
ありがとうございます、感謝。年齢と共に健康になっていく私と兄の頑丈な肉体。
~☆浦上俊司
投稿者 : 浦上俊司| 2007年04月29日 09:15
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