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2005年10月08日

タバコ考 Part2

浦上俊司

東京からの帰り、いつもの蕎麦屋で一人そば焼酎を飲(や)っていた。
空きっ腹に染み渡る少し濃い目の蕎麦湯割り。焼酎の有効成分が脳の血栓を溶かしてくれるだろう、健康って本当にありがたい。

隣の席のオッサンからユルユルとタバコの煙が私の焼酎のあたりに漂っている。
大嫌いなタバコの煙のはずが嫌悪感を抱かない。
そう、それが両切りショートピースの香ばしい香りだからだ。
私が大好きだったヘビースモーカーの父のお気に入り銘柄が缶に入ったショートピース、通称‘カンピ’と言われる最高にきついタバコだ。
父はこれを一日一缶吸っていた。幼少の頃、喘息を患っていた私にとって、父のタバコの煙は確かに嫌だったが、私にとっては懐かしい‘父の香り’そのものなのだ。

死ぬ直前まで私を可愛がってくれた父、69歳のその時までスタイルも崩れず髪の毛もフサフサで、着る物もオシャレでダンディだった父。
私は父に手を上げられた事も皆無だし、反抗した事もない。(その影響で私は息子にも娘にも決して手を上げない。自分がされて良かったと思う事は子供に返したい。)
時として尊敬できる先生のようで、時として悪ふざけできる友人のようで、時として仕事のアドバイスをくれる指南役のようだった父の香りが‘カンピ’だったのだ。

ありがとうございます、父を思い出させてくれた両切りショートピースの香り。
ありがとうございます、あの世で再会するのが楽しみな父。
ありがとうございます、タバコの煙をイライラせずに穏やかに許せた自分の心。

投稿者 : 浦上俊司| 2005年10月08日 10:43

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